中央情報課 27 2月 2026 ウンコう日誌(第860号) ──大阪民国・害吉鉄道。 青い軌道の上を、緑の蒸気動車107号が、ふう、と白い息を吐いた。 ここは「不法占り裏口」と書かれた、いかにも怪しげな簡易停留所。コンクリート桟橋から流れ着いた者、ユニオン駅から弾き出された者、行き場のない者たちが、次の居場所を占うように立ち尽くす場所だ。 黒い煙突を載せた小… 続きを読む
中央情報課 15 2月 2026 ウンコう日誌(第854号) それは、害吉鉄道の蒸気動車107号である。 大阪ユニオン駅の高架下は、今日も湿った煤と汗の匂いが渦を巻いていた。世界中から流れ着いた労働者たちが、行き先の分からぬまま固まっている。 107号は、機関車でも電車でもない。自らの腹に小さなボイラーを抱え、ぶすぶすと煙を吐きながら走る、時代に取り残された乗… 続きを読む
中央情報課 3 2月 2026 ウンコう日誌(第848号) 大阪ユニオン駅を出た害吉鉄道の列車は、いつも妙な静けさをまとって走る。 貨車の軋み、線路のうなり、その合間に混じるのが、この蒸気動車107号の低い息づかいだ。 107号は蒸気機関車ではない。 客車でもない。 車体の下に小さなボイラーを抱え込み、自分で蒸気をつくり、自分で走る。 中途半端で、時代遅れで… 続きを読む
中央情報課 22 1月 2026 ウンコう日誌(第842号) 蒸気動車107号は、朝の大阪ユニオン駅を、ため息のような汽笛で出ていく。 貨車の陰に隠れるような小さな車体。煙突は短く、煤で黒く縁取られている。機関車のような威圧感はない。だが、ボイラーの中では、今日も最低限の蒸気が、最低限の覚悟で沸いている。 「今日は釜ヶ崎までやな」 運転台で、運転士の金城が独り… 続きを読む
中央情報課 10 1月 2026 ウンコう日誌(第836話) 大阪ユニオン駅を発って、線路が急に細くなったあたりで、列車は一度、深く息を吸う。 それが蒸気動車107号だった。 ディーゼルでも電車でもない。 屋根に短い煙突を載せ、腹の奥で湯を沸かしながら、ちょこちょこと走る。 害吉鉄道でも、いちばん時代に取り残された車両だ。 停まったのは、名も怪しい小さなホーム… 続きを読む
中央情報課 25 12月 2025 ウンコう日誌(第828号) その蒸気動車は、害吉鉄道の中でもいちばん中途半端な存在だった。 蒸気機関車ほどの力はなく、かといってディーゼルカーのような新しさもない。 石炭を焚き、ボイラーを唸らせながら、単行でちょこちょこと走る――まさに「時代に取り残された」車両だった。 車体番号は107。 大阪ユニオン駅と芦原橋(本社前)を結… 続きを読む
中央情報課 9 12月 2025 ウンコう日誌(第820号) ——大阪民国・混沌の街をコトコト走る“湯気の電車”—— 蒸気動車107号は、害吉鉄道の中でもひときわ異様な存在だった。 大阪ユニオン駅の片隅に、煤だらけの煙突をちょこんと生やし、 電車のようで電車でなく、汽車のようで汽車でもない。 戦前に北海道の片田舎で走っていたというが、 なぜか第四世界の大阪民国… 続きを読む
中央情報課 27 11月 2025 ウンコう日誌(第814号) 大阪民国南部、夕暮れの 北津守駅前(きたつもり・ステーションフロント)。 コンクリの匂いと、どこの国の言語か分からんざわめきが入り混じる、害吉鉄道名物のごった煮空間だ。 そこへ、緑色の小さな蒸気動車・107号が「ぷしゅ〜〜」と白い息を吐きながら滑り込んできた。 時代に置いていかれすぎたこの車両は、な… 続きを読む
中央情報課 15 11月 2025 ウンコう日誌(第808号) 大阪民国の朝は、煙と怒号と、どこから流れてくるのか分からない謎の音楽で始まる。 蒸気動車107号は、今朝も煤を撒き散らしながらホームに滑り込んだ。 駅名標には「大阪ユニオン駅 豊里口」。 屋根は剥げ、ランプは緑色カビで覆われ、階段には誰かが食べた謎の赤い豆菓子が散乱している。 時代に取り残された鉄道… 続きを読む
中央情報課 3 11月 2025 ウンコう日誌(第802号) コンクリ桟橋から大阪ユニオン駅まで、ひときわけたたましい音を立てて走る列車がある。 害吉鉄道の蒸気動車107号。 見た目はトラム、心臓はボイラー。燃料は時々木炭、時々拾い物の廃油。 「おい107、また蒸気圧足りへんぞ」 「しゃあないやん、きょう湿気高いし!」 機関士のアブドゥラ(ミャンマー人)と、ボ… 続きを読む
中央情報課 22 10月 2025 ウンコう日誌(第796号) 害吉鉄道の車庫の奥で、誰にも見向きされず眠っていた緑の小型蒸気動車――通称「阿倍野のモクモク号」が、ひさびさに煙突を黒々と光らせていた。 鉄道帝の気まぐれで、芦原橋(本社前)〜釜ヶ崎支線の臨時列車に抜擢されたのだ。 「おーい、煙が逆流してんで!」 車庫係のベトナム人整備士タインが、油まみれの手ぬぐい… 続きを読む
中央情報課 10 10月 2025 ウンコう日誌(第790号) 害吉鉄道の中でも最古参のひとつ、「107号蒸気動車」。 大阪ユニオン駅から芦原橋(本社前)を経て、釜ヶ崎へ向かう。 車体はくたびれ、ボイラーの煙突からは時々しか煙が出ない。 それでも、朝の冷えた空気の中で「しゅぽ、しゅぽ」と息づいていた。 駅名標には「釜ヶ崎支線 堀江新地方面」とある。 小さなプラッ… 続きを読む
中央情報課 28 9月 2025 ウンコう日誌(第784号) 大阪民国のユニオン駅の片隅に、時代に取り残された不思議な車両がある。 その名は 蒸気動車107号。 緑色の小さな電車スタイルの車体に、なぜか巨大な煙突が突き刺さっている。かつては市電を改造した車両だったが、戦後の燃料難で「木炭ガス発生炉」を積み込み、さらに“蒸気を出してる風に見せる”ためだけに煙突を… 続きを読む
中央情報課 14 9月 2025 ウンコう日誌(第777号) 大阪民国の害吉鉄道。 時代に取り残された線路の上を、今日もまた奇妙な列車が走る。 緑色の小さな車体に、なぜか蒸気機関車のような煙突を載せた「蒸気動車」107号。 石炭をくべるほどの大きさはない。運転席の隣に小さな炉があり、車掌がシャベルで炭を突っ込み、火が落ちぬように必死に守る。 その熱でボイラーを… 続きを読む
中央情報課 2 9月 2025 ウンコう日誌(第771号) 大阪民国の害吉鉄道には、いまなお「蒸気動車」と呼ばれる奇妙な車両が現役で走っている。 それは蒸気機関と電車の折衷のような姿で、車体は路面電車に似て小ぶりながら、屋根には黒々とした煙突が突き出している。 ――大阪ユニオン駅。 列車を待つ群衆の中には、関西弁に混じって「ສະບາຍດີ」「Apa kaba… 続きを読む
中央情報課 21 8月 2025 ウンコう日誌(第765号) コンクリ桟橋から遠く離れた「堀江新地」の片隅に、木賃宿や飲み屋の影にひっそりと「南堀江口駅」がある。そこに停まっているのが、害吉鉄道の蒸気動車107号。 見た目は市電の小型電車のようだが、屋根には煤けた煙突が突き出し、車内の一角には小さなボイラーが据え付けられている。石炭の代わりに、燃料は木炭や時に… 続きを読む
中央情報課 9 8月 2025 ウンコう日誌(第759号) 害吉鉄道の蒸気動車107号は、もともと昭和初期に大阪市内の路面電車として造られた車両だった。戦時中にガソリン不足で廃車寸前となったが、戦後すぐに害吉鉄道が「貨物列車の後ろで客も運べる便利な車」として譲り受け、屋根に小型の蒸気ボイラーを積み、煙突を突き出して蒸気動車に改造された。 大阪ユニオン駅を出た… 続きを読む
中央情報課 28 7月 2025 ウンコう日誌(第753号) 害吉鉄道の釜ヶ崎支線。その終点にぽつんと佇む木造の小駅「南中市場前駅」には、今や動く列車がほとんど来ない。だが、日が昇る前、まだ路地に酔客の影が残るころ、小さな振動とともにカタコトと現れるのが「107号蒸気動車」である。 107号は、かつて大阪民国の中心部で活躍していた小型の路面蒸気動車だった。木炭… 続きを読む
中央情報課 12 7月 2025 ウンコう日誌(第745号) 昭和どころか、大正すら通り越した――そんな鉄道車両が、今日も煙を吐きながら北津守の街外れを走る。緑色の車体に、妙にでかい煙突。そして何より、その車両に人が乗っているのが信じられない。 これは、害吉鉄道の蒸気動車107号。正式には「蒸気内燃混合軽便旅客輸送装置」として登録されているが、誰もそんな長った… 続きを読む
中央情報課 28 6月 2025 ウンコう日誌(第738号) 大阪民国の片隅、時の澱がたまるような裏界路を縫いながら、蒸気動車107号はゆるりと息を吐く。害吉鉄道——かつて誰かが敷き、今では誰も整備していない鉄道。だが、その車両は今も走る。いつの世の鉄か定かでない蒼碧の双条の道を、節くれだった車輪が擦り寄ってゆく。 車体は苔むした緑、煙突は煤で艶を帯び、車窓に… 続きを読む