中央情報課 8 9月 2025 ウンコう日誌(第774号) 大阪ユニオン駅構内に煤けた8620形が滑り込んできた。客車の行先表示には「無限」とだけ書かれた木札。どこから来たのか誰も知らない。 「おい、なんやあれ? 8620なんて戦前の骨董品やろ」 「ほんまや。しかも行先が“無限”。あんなんダイヤにないで!」 大阪クレオールが飛び交い、ユニオン駅の混沌はいっそ… 続きを読む
中央情報課 15 8月 2025 ウンコう日誌(第762号) 大阪民国・大阪ユニオン駅の10番線。 青いレールの上に、今日も「無限列車」が静かに煙を吐いていた。機関士は、かつて大陸の戦線で補給列車を走らせた老人で、「この列車は時間も距離も関係なく走る」と真顔で言う。乗客はそれを冗談だと思って笑うが、釜ヶ崎に着くまでに何度も夜が明け、車窓に見える景色がアジアのど… 続きを読む
中央情報課 14 7月 2025 ウンコう日誌(第746号) 無尽機関 「……ああ、あの機関車かい。あれは“無尽機関”って呼ばれてる」 コンクリ桟橋駅の片隅、古びた詰所で茶をすすりながら駅員のヤマカミはそう呟いた。 「昔は、どこまでも走り続ける列車だったんだとよ。寝て起きてもまだ走ってる。昼も夜も、線路が続くかぎり、ね。客が降りようが、汽車は止まらねぇ。そんな… 続きを読む