流線型C53

ウンコう日誌(第863号) 中央情報課

ウンコう日誌(第863号)

大阪民国・大阪ユニオン駅のはずれ。煤と油の匂いがこびりついた小さな機関庫の前で、奇妙な機関車が静かに息をついていた。 流線型C53。 戦前、帝国がまだ「速さ」と「威光」を信じていた時代に造られた、いわば見栄のかたまりのような蒸気機関車である。今では世界のどこにもほとんど残っていない。 だが、この大阪…
ウンコう日誌(第853号) 中央情報課

ウンコう日誌(第853号)

流線型C53は、害吉鉄道の中でもひときわ異様な存在だった。 大阪ユニオン駅の薄汚れたコンコースに、その黒い鼻面がぬっと現れると、ざわめきが起こる。丸みを帯びた流線型の車体に、金色のプレート。「C5343」。かつては帝都の幹線を疾走したというが、今は大阪民国の貨物ついでの客車を牽く。 「おい見てみぃ、…
ウンコう日誌(第841号) 中央情報課

ウンコう日誌(第841号)

大阪ユニオン駅の構内で、C53は黙っていた。 黒い流線形のボイラーは、かつて「燕」や「富士」を牽いた頃の面影を残しているが、今は青い簡易軌道の上に載せられ、貨車の列の先頭で息を潜めている。 この機関車は、害吉鉄道にとって「異物」だった。 害吉鉄道の主力は、無限列車だったり、蓄電池動車だったり、木炭動…
ウンコう日誌(第829号) 中央情報課

ウンコう日誌(第829号)

害吉鉄道の大阪ユニオン駅構内で、C53はいつも浮いていた。 同じ蒸気機関車でも、D51や9600のような「いかにも現場」という顔つきではない。流線形のボイラー、長い車体、細身の足回り。もともと幹線急行用として生まれた機関車が、なぜか貨物と人夫と混沌を運ぶ害吉鉄道に流れ着いている。 今日も大阪ユニオン…
ウンコう(第817号) 中央情報課

ウンコう(第817号)

害吉鉄道・大阪ユニオン駅の薄明かりの下。 流線形に改造され、どこか戦前の亡霊のような姿をした C53形——**C5343「黒風号」**が、くぐもった低音を響かせて構内に現れた。 かつて大東亜の夢を担う高速旅客機関車として生まれたが、今は貨客混合の“裏仕事”専門。 鉄道帝が「これはワイの黒い翼や」と言…
ウンコう日誌(第805号) 中央情報課

ウンコう日誌(第805号)

大阪民国の夜は、いつも湿っている。 ユニオン駅構内の煤けた蛍光灯の下、黒い流線型機関車C5343号が低く唸りを上げた。 「……あれが“鉄道帝”の黒い翼やで」 堀江新地の荷役が、タバコの煙を吐きながら呟いた。 戦前の夢、敗戦の残骸、そして再生不能の鉄屑。 その全てを飲み込みながら、害吉鉄道の黒き流星は…
ウンコう日誌(第793号) 中央情報課

ウンコう日誌(第793号)

コンクリ桟橋駅に黒光りする流線型C53が到着した。 形式番号は「C5343」。本来は帝都本線の花形だったが、敗戦とともに本国から放逐され、今は大阪民国の害吉鉄道で貨客混合列車を牽いている。 「おまえ、えらいツヤツヤしてるやんけ。どこで磨いてもろたん?」 緑の路面電車が隣の側線から声をかける。 「・・…
ウンコう日誌(第778号) 中央情報課

ウンコう日誌(第778号)

—コンクリ桟橋を出発する列車の先頭に、黒光りする異形の機関車がいた— それは、かつて帝都の華とも呼ばれた「流線型C53 53改」。 大東亜流線形計画の末期に生まれ、空襲下の東京を風のように走り抜けたとされるが、その戦後の消息は不明だった。 ところが、数十年後、コンクリ桟橋の汚泥の中から、泥と錆にまみ…
ウンコう日誌(第752号) 中央情報課

ウンコう日誌(第752号)

コンクリ桟橋の夕暮れ、貨物ヤードの片隅で眠っていた一両の黒い流線型蒸気機関車が、唐突に煙を噴いた。 その名は C5343。 戦前、軍用列車専用の試作機として極秘裏に製造され、「黒い鯨(ブラック・クジラ)」の異名を持っていた。だが、あまりに重く、あまりに速すぎて当時の軌道を破壊するという前代未聞の事故…