樺太D51

ウンコう日誌(第776号) 中央情報課

ウンコう日誌(第776号)

それは敗戦の余燼に煙る大地から戻ってきた鉄の獣であった。 かつて樺太の北の果て、氷雪に閉ざされた大泊の港から、石炭と軍需物資をひたすら運び続けた機関車――D51。ソ連軍に鹵獲され、「Д51」と赤いプレートを打たれ、シベリアの凍土をも走らされた。だが運命の糸は奇怪にして不思議、なぜか大阪民国の混沌に引…
ウンコう日誌(第764号) 中央情報課

ウンコう日誌(第764号)

かつて帝国の北辺を走っていた貨物用機関車D51は、戦後に樺太ごとソ連に引き渡され「Д51」として酷使された。極寒の地で薪も石炭も足りず、やがては泥炭や伐採残材を焚き、車体は煤と氷で真っ黒に覆われた。ソ連の整備工場では雑に補修され、側面にはキリル文字が打刻されたまま放置されていた。 時代が変わり、廃車…
ウンコう日誌(第750号) 中央情報課

ウンコう日誌(第750号)

害吉鉄道・コンクリ桟橋駅。かつて大陸への夢と悲しみを載せて走った一両の蒸気機関車が、今またその煤けた車体を軋ませながらホームに滑り込んできた。 先頭に立つのは、旧日本帝国の名機・D51型蒸気機関車──ではない。前照灯の下にはキリル文字で「Д51」と記されている。ソ連領時代のサハリン(樺太)で鹵獲・改…