中央情報課 18 7月 2025 ウンコう日誌(第748号) 害吉鉄道・北津守機関区。 そこには、どこから持ち込まれたのか判然としないアメリカ製の小型ディーゼル機関車が1両、居ついていた。銘板には「WHITCOMB」の文字。戦後に余剰となった占領軍向け車両の転売品とも、朝鮮戦争で流れ着いた戦地復旧用とも、あるいは香港の波止場から大阪民国に密輸されたとも言われて… 続きを読む
中央情報課 16 7月 2025 ウンコう日誌(第747号) 大阪民国・北津守駅の片隅。半ば打ち捨てられたようなホームに、緑の蓄電池動車「107号」は、無言のまま停車していた。 この車両は、かつて内地の軍需工場で構内輸送に使われていたが、戦後に払い下げられ、各地を転々とした末、ついに害吉鉄道に拾われた。騒音も煤煙も出さないその静けさは、害吉の喧騒には不釣り合い… 続きを読む
中央情報課 14 7月 2025 ウンコう日誌(第746号) 無尽機関 「……ああ、あの機関車かい。あれは“無尽機関”って呼ばれてる」 コンクリ桟橋駅の片隅、古びた詰所で茶をすすりながら駅員のヤマカミはそう呟いた。 「昔は、どこまでも走り続ける列車だったんだとよ。寝て起きてもまだ走ってる。昼も夜も、線路が続くかぎり、ね。客が降りようが、汽車は止まらねぇ。そんな… 続きを読む
中央情報課 12 7月 2025 ウンコう日誌(第745号) 昭和どころか、大正すら通り越した――そんな鉄道車両が、今日も煙を吐きながら北津守の街外れを走る。緑色の車体に、妙にでかい煙突。そして何より、その車両に人が乗っているのが信じられない。 これは、害吉鉄道の蒸気動車107号。正式には「蒸気内燃混合軽便旅客輸送装置」として登録されているが、誰もそんな長った… 続きを読む
中央情報課 10 7月 2025 ウンコう日誌(第744号) その蒸気機関車は、かつて北海道の炭鉱町——天塩の奥地を、石炭を吐きながら走っていた。 社型C58。 国鉄型とは似て非なる、鉱山会社が自前で整備し、修理し、動かしていた野生の機関車。 型番もプレートも何もかもが「会社のやりかた」で付けられており、構造的にはC58っぽいが、もはやC58ではない。 ——そ… 続きを読む
中央情報課 8 7月 2025 ウンコう日誌(第743号) 大阪ユニオン駅の6.5番線、木炭動車107号がぷすんぷすんと煙を吐いていた。 「今日も混んでるなあ……いや、人間の話ちゃうで」 駅員のキム・田中がぼやく。車内には、買い出し帰りのオモニ、釜ヶ崎行きの荷車、何かの部品、あとなぜか生きた鶏までいる。害吉鉄道の木炭107号は、もともと軽便鉄道用のディーゼル… 続きを読む
中央情報課 6 7月 2025 ウンコう日誌(第742号) 害吉鉄道・南津守貨物ヤード。 焼けたコンクリートの照り返しの中、CK285形蒸気機関車が静かに息を潜めていた。かつて台湾の平渓線で山岳貨物を引いていたこの黒き老機関車は、今では害吉鉄道に籍を置き、「焼酎特急・黒潮号」として再び現役に返り咲いている。 今日の任務は、奄美・笠利港からフェリーでコンクリ桟… 続きを読む
中央情報課 4 7月 2025 ウンコう日誌(第741号) コンクリ桟橋駅には、世界中の雑踏と油煙が絡み合っていた。重油とパクチーと香辛料、そして潮風。干物屋の廃材を組み直したような屋台の奥で、男たちは黙って缶ビールを飲み、次の船便や仕事の噂話をしていた。 そのホームの一角に、くすんだ水色の車体が静かに停まっていた。キハ40。古びたディーゼルカー。正面の丸い… 続きを読む
中央情報課 2 7月 2025 ウンコう日誌(第740号) 大阪民国—— そこは「アジアのラゴス」と呼ばれる世界最強のカオス地帯。チャイナも、インドも、クルドも、ビルマも、沖縄も、戦後難民も、半グレも、そしてどこから来たのか分からない人々も——皆がここに流れ着き、そして“共存しないまま共存”している。 中心駅・大阪ユニオンは一日中怒号と多言語で満ちているが、… 続きを読む
中央情報課 30 6月 2025 ウンコう日誌(第739号) 朝霧のたちこめる大阪ユニオン駅。 構内放送は壊れて久しく、代わりに炊き出しのスピーカーが「おにぎり一個百円やでぇ〜」とけたたましく響いていた。 そこへ現れたのが、黒光りする戦時型蒸気機関車。 番号はC56160、通称「サルゴリラチンパンジー号」。 屋根にはいつのまにか野良犬と洗濯物、そして人間数名が… 続きを読む
中央情報課 28 6月 2025 ウンコう日誌(第738号) 大阪民国の片隅、時の澱がたまるような裏界路を縫いながら、蒸気動車107号はゆるりと息を吐く。害吉鉄道——かつて誰かが敷き、今では誰も整備していない鉄道。だが、その車両は今も走る。いつの世の鉄か定かでない蒼碧の双条の道を、節くれだった車輪が擦り寄ってゆく。 車体は苔むした緑、煙突は煤で艶を帯び、車窓に… 続きを読む
中央情報課 26 6月 2025 ウンコう日誌(第737号) 朝のラッシュを少し過ぎたころ、C5343号機は堀江新地駅をゆっくりと発車した。漆黒の流線型ボディを誇る老蒸機は、今や害吉鉄道の象徴ともいえる存在だが、特別列車などではない。大阪民国の、いつも通りの“足”である。 牽引されるのは、半世紀以上前に製造された木造客車と、車籍不明の連接車。車体には各民族によ… 続きを読む
e_芸能・スポーツ 6 6月 2025 ウンコう日誌(第727号) サッカーの佐野海舟が森保一に代表に招集された件で「社会やサッカー界から葬るのかじゃなくて葬るべきなのに」と書いたらプチ炎上。 それに加えて、本日は害鉄電脳節。… 続きを読む