中央情報課 9 3月 2026 ウンコう日誌(第865号) 大阪民国の朝は、いつも湿った鉄の匂いがする。 大阪ユニオン駅の外れ、害吉鉄道の留置線に、一台の小さな蒸気機関車が静かに立っていた。 C56形蒸気機関車。 かつて南方――泰緬鉄道を走った機関車である。 戦争が終わり、海を渡って戻ってきたその機関車は、今では害吉鉄道の雑多な貨物列車を引く仕事をしていた。… 続きを読む
中央情報課 7 3月 2026 ウンコう日誌(第864号) 大阪民国・西成区。 大阪ユニオン駅から南へ伸びる、時代に取り残された私鉄――害吉鉄道。 その線路の上を、今日も一台の奇妙な車両が走っていた。 「木炭動車」である。 エンジンの横には鉄の箱。そこに木炭を入れて燃やし、発生したガスでエンジンを回す。 石油が高い時代の名残りというか、社長の趣味というか、と… 続きを読む
中央情報課 5 3月 2026 ウンコう日誌(第863号) 大阪民国・大阪ユニオン駅のはずれ。煤と油の匂いがこびりついた小さな機関庫の前で、奇妙な機関車が静かに息をついていた。 流線型C53。 戦前、帝国がまだ「速さ」と「威光」を信じていた時代に造られた、いわば見栄のかたまりのような蒸気機関車である。今では世界のどこにもほとんど残っていない。 だが、この大阪… 続きを読む
中央情報課 3 3月 2026 ウンコう日誌(第862号) 蓄電池動車は、今日も重たそうに大阪ユニオン駅の片隅で息をしていた。 車体の塗装は剥げ、窓枠は白くくすみ、屋根の上の集電装置はもう飾りのようにしか見えない。それでも、こいつは走る。電線がなくても走る。充電さえすれば、どこへでも。 「ほな、今日も釜ヶ崎まで頼むで」 芦原橋(本社前)の助役が、車体を軽く叩… 続きを読む
中央情報課 1 3月 2026 ウンコう日誌(第861号) ――大阪民国・芦原橋(本社前)駅構内。 かつて「無限」と書かれたプレートを掲げ、 どこまでも走るはずだった機関車は、 いまや害吉鉄道の入換用に成り下がっていた。 黒光りする小さなボイラー。 玩具のような体躯。 だが、煙室扉の奥には、まだ消えていない火がある。 芦原橋駅のホームでは、 さまざまな言葉が… 続きを読む