中央情報課 13 12月 2025 ウンコう日誌(第822号) 夜明け前、コンクリ桟橋の空気は潮と油と、言葉にならない雑多な匂いが混じっていた。 107号はまだ眠っているように見えたが、屋根の蓄電箱の奥では、昨夜ため込んだ電気が静かに目を覚ましていた。石炭も軽油もいらない。音も煙も出さない。ここではそれが都合がよかった。 ホーム脇の詰所から、係員が顔を出す。 「… 続きを読む