中央情報課 12 10月 2025 ウンコう日誌(第791号) かつて岡山県の山奥を走っていたC11形蒸気機関車。 八つ墓村の村人を運び、血の匂いと怨霊の呻きに包まれたその鉄路は、ある日を境に封鎖された。 だが時は流れ──。 老朽化した車体を捨てるでもなく、どこからともなくやって来た黒塗りのトレーラーがそれを載せ、 「害吉鉄道行き」とだけ書かれた伝票を残して消え… 続きを読む
中央情報課 10 10月 2025 ウンコう日誌(第790号) 害吉鉄道の中でも最古参のひとつ、「107号蒸気動車」。 大阪ユニオン駅から芦原橋(本社前)を経て、釜ヶ崎へ向かう。 車体はくたびれ、ボイラーの煙突からは時々しか煙が出ない。 それでも、朝の冷えた空気の中で「しゅぽ、しゅぽ」と息づいていた。 駅名標には「釜ヶ崎支線 堀江新地方面」とある。 小さなプラッ… 続きを読む
中央情報課 8 10月 2025 ウンコう日誌(第789号) 戦後の混乱期、大阪民国の港・コンクリ桟橋に、錆びた貨車を曳いて一台の黒い蒸機が流れ着いた。 その名は「Д51」。ソ連式の銘板を残したまま、樺太の凍土を越えてきた“亡霊機関車”である。 「オレ、もとは北海道のD51や。けど、終戦後に向こうの軍に接収されてな、ロシアの雪原を走っとったんや。」 そう語るよ… 続きを読む
中央情報課 6 10月 2025 ウンコう日誌(第788号) 害吉鉄道の朝は、いつも薄曇りから始まる。 大阪ユニオン駅の片隅で、古びた木炭動車107号が、ゆっくりと煙を吐いていた。 エンジンの代わりに木炭炉がごうごうと燃え、運転士のキム・ハンスがトングで炭をかき混ぜる。 「오늘도 가자, 콘크리부두까지(今日も行くで、コンクリ桟橋まで)」 沿線には芦原橋本社前… 続きを読む
中央情報課 4 10月 2025 ウンコう日誌(第787号) かつて異界を走った「無限列車」は、幾多の戦乱と取り壊しを経て、その姿を大阪民国の害吉鉄道へと移した。 老朽機関車を魔改造した漆黒の車体は、夜の闇に溶けるように線路を走り、いまや大阪ユニオン駅から釜ヶ崎、さらにはコンクリ桟橋へと、果てしなき乗客を運んでいる。 客車の屋根には布団、ドラム缶、ブルーシート… 続きを読む
中央情報課 2 10月 2025 ウンコう日誌(第786号) 大阪民国の混沌をつなぐ害吉鉄道。その中でもひときわ異彩を放つのが、緑色の小さな車体に蓄電池を積んだ「107号動車」である。 昭和の忘れ物のような姿だが、貨物の隙間に労働者や子どもを詰め込み、ぎこちないモーター音を響かせながら、今日も大阪ユニオン駅と釜ヶ崎のあいだを往復している。 107号が特別扱いさ… 続きを読む